クレドカードとは?会社の行動指針を従業員に浸透される方法を紹介します

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「会社のミッション・ビジョンが形骸化している」「ミッション・ビジョンを従業員に浸透させる方法を知りたい」と考えている経営者、人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年では、会社の行動指針を意味する「クレド」という言葉が注目されています。クレドは従業員が意識すべき行動指針で、ミッション・ビジョンを成し遂げるためにも重要です。

そこで会社にクレドを浸透させる方法として、「クレドカード」があります。本記事では「クレドとは何か」、また「クレドカードの効果・作り方」を解説します。

クレドとは

クレド(Credo)とは、ラテン語に語源を持ち、英語で「信念・信条」を表します。そして、企業活動においては、従業員ひとりひとりが意識すべき行動指針を意味します。

クレドを明確に設定することで、経営者や従業員が業務上の意思決定で迷った時に、適切な判断ができるでしょう。

クレドとミッション・ビジョンの違い

ではクレドとミッション・ビジョンはどのような違いがあるのでしょうか。ミッション・ビジョンは会社全体の方針を表すのに対し、クレドは従業員個人の日々の行動指針を表します。
つまり、クレドとミッション・ビジョンは連動しており、クレドを意識した行動はミッション・ビジョンの達成につながります。それでは、ミッションとビジョンについてより詳しくみていきましょう。

ミッションとは

ミッションとは企業が果たす使命のことです。「企業が誰にどのような価値を与えるのか」と言い換えることもできます。

例えば、ソフトバンクグループは「情報革命で人々を幸せに」というミッションを掲げています。
創業時から情報技術分野で社会に貢献してきたソフトバンクは、情報革命で一人でも多くの人に感動を与えて幸せにすることを使命としています。

ビジョンとは

ビジョンとは会社が目指す理想の姿のことです。業界での位置付けや、お客様にとってどのような存在になりたいかなどがビジョンに反映されます。

先ほど例に挙げたソフトバンクグループのビジョンは「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」です。最先端のテクノロジーと最も優れたビジネスモデルにより人々を幸せにすることで、ビジョンの達成を目指しています。

クレドカードとは

ミッションやビジョンを達成することにも役立つ、クレドカードですが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。以下で詳しくみていきます。

クレドカードとは「会社のクレドを浸透させるために従業員に配られるカード」です。

カードサイズは、名刺入れや名札ケースに保管できるサイズが一般的です。これはスタッフが肌身離さず持ち歩き、行動指針をいつでも見返せるようにするためです。

また素材は、プラスチック素材のもの、名刺サイズに折りたためるパンフレットのようなものなど企業により形は異なります。

クレドカードの効果

「クレドを導入しても本当に効果があるのだろうか」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。以下では、クレドの効果と実際の導入事例をご紹介します。

従業員がクレドを意識することで会社全体にどれくらい効果があるのか疑問に思うかもしれませんが、ひとりひとりの意識・行動の変化は長期的な業績アップにつながります。

クレドカードの具体的な効果を見ていきましょう。

①従業員の会社への愛着が強くなる

アメリカの心理学者ロバート・ザイオンス氏が提唱した「ザイオンス効果」をご存知でしょうか。
単純接触効果とも呼ばれており、接する機会が増えるとその対象に良い印象を持つようになる心理効果です。

クレドカードを配ることで会社が大切にしている考え方に触れる機会が増えるため、会社への愛着が強くなる効果を期待できます。従業員の会社への愛着が強くなると、生産性や主体性の向上につながります。

②コンプライアンス遵守の意識が高まる

1982年に起きた「タイレノール事件」がきっかけでクレドは注目を浴びることになります。ジョンソン・エンド・ジョンソンが販売しているタイレノールという頭痛薬を服用した人が次々と突然死しました。

同社は世間から厳しく批判を受けましたが、消費者を守るための情報を公開するなどクレドに沿った誠実な対応を取り、ビジネス史上最も優れた危機対応と呼ばれるようになりました。

2000年代に入り、日本でもデータ改ざんや産地偽装など不祥事が相次いだことから、企業はコンプライアンスを守ることを強く求められるようになっています。

このようなクレドの歴史を知ることで、より重要性を実感することができるでしょう。クレドカードに記載されている従業員の行動指針に従うことは、コンプライアンスの遵守につながります。

③会社のカルチャーにマッチした人材の採用に繋がる

採用候補者と面接をする際は、ミッション・ビジョン・行動指針など、会社の理念に共感し重要視する企業は多いでしょう。

クレドを社外に公開すると、求職者は自分自身が会社の考え方や雰囲気にマッチしているかを判断した上で応募するようになります。
会社の理念やカルチャーにマッチする人だけが応募してくれるようになるため、結果的に採用工数の削減につながり、入社後の採用ミスマッチを防ぐことができます。

クレドカードの事例

続いて、クレドを効果的に活用している企業や自治体を3つご紹介します。

①ザ・リッツ・カールトン

世界的なラグジュアリーホテルブランドであるザ・リッツ・カールトンのスタッフは、クレドカードを常に携帯しているそうです。

ザ・リッツ・カールトンの最高級のおもてなしの源泉となるような洗練されたクレドカードとなっています。スタッフへのクレドの浸透が、世界の一流ホテルを生み出しているのではないでしょうか。

②楽天グループ

インターネット関連サービスを展開する楽天グループは、世界一のインターネット・サービス企業になるために5つの行動指針を掲げています。

従業員が日々意識する行動指針を赤い文字で目立たせることで、記憶に残りやすいクレドカードとなっています。

③愛知県 江南市

クレドカードは企業だけでなく自治体にも導入されています。
愛知県にある江南市では、職員の責任感とモチベーション向上を目的に2011年にクレドカードが職員に配布されました。

クレドが職員に浸透するように、以下のようなさまざまな運用方法も検討されています。

  • ・クレドの意味を理解する場を設ける
  • ・クレドに沿って1日の目標を立てて振り返る
  • ・パソコンのトップページにクレドを掲載する

クレドカードの作成方法

では、実際にクレドカードはどのような手順で作ればいいのでしょうか。クレドカードを作る手順を注意点に触れながら解説します。ぜひ、自社で作成する際の参考にしてください。

課題に対してクレドカードという打ち手が正しいかを確認する

もそもクレドカードを作成するという打ち手が正しいのか確認しましょう。クレドカードを作ることは手段であり、目的ではありません。会社の課題とクレドカードを作る目的を整理してみてください。

例えば「従業員がモチベーション高く働けるように、クレドカードを通して行動指針を浸透させたい」という目的があるとします。従業員のモチベーションが低いという課題に対してクレドカードという打ち手が正しいのでしょうか。

従業員の低いモチベーションの原因が待遇面の不満や上司との関係性の悪さであれば、クレドカードで解決することはできません。

一方で従業員の低いモチベーションの原因が会社の目指す方向性がわからない、会社の理念に共感できないなどであれば、クレドカードは有効な打ち手となるでしょう。

ミッション・ビジョンを達成するために、必要な行動指針を洗い出す

会社のミッション・ビジョンを果たすために、従業員が意識すべき行動指針を洗い出しましょう。
まずは、数を出すことを意識しましょう。後の工程で、内容を精査するためこの段階では、数が多くなったり現状の実態とは異なったりしても構いません。

お客様、社内の人、社外パートナーに対してなどさまざまな視点で考えると行動指針を洗い出しやすくなります。

従業員に会社の好きなところや改善すべきところをヒアリングする

従業員が感じる会社の好きなところ、改善したいところにも目を向けましょう。従業員目線に立って良い点や改善点を把握すると、全員が納得できる行動指針に近づきます。この段階でも、数が多くなっても構いません。

行動指針の精査とクレドの言語化

クレドの項目が多いと従業員に浸透しづらいので、洗い出した項目を精査しましょう。
項目は多くても10個を目安としてください。

精査した行動指針の言語化・定義の明確化を行いましょう。

例えば「スピード感を持って行動する」というクレドがあるとします。
このクレドの定義をしっかりと言語化していなければ、「早く、クオリティの高いアウトプットを出すべき」と考える従業員や「早ければどのようなクオリティでも問題ない」と考える従業員もいるでしょういます。

定義が明確でなく従業員が自由にクレドを解釈できてしまうと、会社が従業員に求める行動指針が守られず、クレド効果的に機能しません。

クレドカードのデザイン・印刷をする

行動指針が決まったらクレドカードのデザインを作ります。従業員がつい読みたくなるようなデザインになるように意識しましょう。クレドと同時に会社のミッション・ビジョンを記載するのも良いかもしれません。

社内にデザイナーがいない場合は外注しましょう。デザインが完成したら、印刷会社へ依頼し、完成です。

クレドに基づいた評価や表彰をおこなう

クレドカードを浸透させるための施策として、個人に課せられた数値目標だけでなく、クレドに基づいた評価や表彰を定期的に行うというものがあります。

例えば、個人評価のうち70%を数値目標の達成度、30%をクレドの体現度のように比重を置きます。
数値目標は仕事の結果で評価されるのに対して、クレドの体現度は過程で評価されるため、従業員の日々の頑張りを直接評価することができます。

また、社内での表彰の項目にクレドの体現度を作るのもよいでしょう。
評価や表彰があることで、従業員にとってはクレドを意識して仕事をするモチベーションとなります。

クレドに触れる回数を増やす

クレドカード以外で、前述したザイオンス効果を上手く利用する方法をご紹介します。
以下のような方法で、従業員がクレドを目にする機会を増やしてはいかがでしょうか。

  • ・オフィスのデザインに取り入れる
  • ・名刺に好きな行動指針を印刷する
  • ・社内の配布物に記載する

クレドカードはいくつかの方法を組み合わせることで、従業員への浸透が期待できます。

クレドカードや印刷物の制作は茨城県のあけぼの印刷社へお任せください

あけぼの印刷社では、クレドカードやその他の印刷物の制作を承ります。

当社は茨城県内有数の印刷設備を持ち、印刷物製作の豊富な実績がございます。また、企画、デザイン、印刷、在庫管理、発送業務まで一括で対応できる他、小ロット、短納期の対応のご相談も承ります。

また、当社では、茨城県内でISUZUのトラック・バスの製造・アフターメンテナンスを中心に事業を展開している茨城いすゞ自動車様のカルチャーブックを制作した事例もございます。カルチャーブックとはビジョン、ミッション、経営理念をまとめた本のことです。

従業員への経営理念の浸透施策として、クレドカードではなくカルチャーブックという形でもご提案できます。

クレドカード、カルチャーブックなどの印刷物を、デザイン・印刷、在庫の管理から発送まで一括で対応可能です。お気軽にお問い合わせください。

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