A/Bテストのやり方は?具体的な検証方法をまとめてみた

マーケティング

販促やマーケティングに携わっている人なら、「A/Bテスト」というワードを一度は聞いたことがあるかもしれません。
なんとなくの概要はわかっているものの、

・どのような手順で実施するのか
・何をテスト対象とするのか

と、詳しくはわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事ではA/Bテストの実施の手順や方法、気をつけるポイントを解説しています。
この記事を読み終わった頃には、A/Bテストに取り組めるような状態になっていれば幸いです。

A/Bテストとは

A/Bテストとは、テキストやデザインを2パターン以上用意して同一期間中に公開し、どちらの方が効果が良いのかを検証する手法です。
元々は紙媒体で取り入れられた手法ですが、Web媒体の方がよりタイムリーに変更ができ、効果検証も早く完了できるため発展していきました。

A/Bテストの目的

Webサイト・広告で改善を目指すのは主にCVR(応募率)です。
A/Bテストを一定期間行い、少しずつCVRの数値改善を行い、商品の購入や問い合わせなどのコンバージョン(CV)数の向上を目指します。
サイトの流入が少ない場合には検証ボリュームが足りないため判断がつきにくい場合があります。

そんな時にA/Bテストで2パターンを一気に走らせることで、閲覧者に受けの良いクリエイティブが分かり、合理的に結果を判断できます。

A/Bテストを行うメリット

A/Bテストを行う大きなメリットは、本来よりも飛躍した成果を出せるところ。
その代表例として有名なのが、アメリカのオバマ元大統領の選挙陣営が実施したA/Bテストです。

オバマ元大統領は、大統領選挙資金への寄付を募る中でA/Bテストを実施しました。
検証ポイントは大きく2つで、

1.メインビジュアル:6パターン(画像と動画を3つずつ)
2.登録ボタン:4パターン

これら全てを組み合わせた24パターンで検証を実施しました。
その結果、「家族の写真(メインビジュアル)× LEARN MORE(登録ボタン)」という以下の画像の組み合わせがもっとも反響が高く、CVR(応募率)が140%も向上したのです。

CVRが140%アップした結果、元の組み合わせの場合と比較してプラス6,000万ドルの寄付を集められたのです。
このように、A/Bテストを実施し効果の高い組み合わせを見つけることで、大幅に成果をあげられる可能性があります。

低コストで効果の改善を図れる

A/Bテストは有料の広告を掲載せずとも「サイトの一部部分の修正のみ」という少ない工数・コストでもCVRの改善を目指せるのが大きなメリットです。

スピード感ある検証ができる

同時に複数パターンでテストをするため、スピード感のある効果検証ができます。
数値で結果が出るため、効果が良い方を合理的に選べるのもメリットですね。
ただし、複数パターンを用意する必要があるという点で手間がかかるというデメリットも。

A/Bテストを開始するまでの準備は大変な面もありますが、それを加味してもやる価値のある検証に違いはありません。

A/Bテストの進め方

A/Bテストのメリットがわかったところで、A/Bテストの具体的な進め方をご紹介します。

PLAN

A/Bテストではまずはじめに、現状を把握して仮説を立てるところから始めます。仮説を立てることで、PDCAのスピードを早められ、早期のCVR改善に繋がります。
そして仮説を立てる対象は以下の中で検討するのがおすすめです。

・ファーストビューコンテンツ
・イメージ画像
・見出し、ページタイトル
・CTAボタン
・離脱導線

注意点として、1度のA/Bテストで変更する箇所は1箇所のみと決めて実施しましょう。
変動要素が複数になると、どの変更が効果に寄与したのかを正しく判断できないためです。

DO

プランニングを終えたら次は実行に移ります。
CVR向上の可能性が高く、影響が大きそうな項目から順に1つずつA/Bテストを実施しましょう。

A/Bテストの実施期間には決まりはありませんが、そのA/Bの数値に明確な差が出るまでは経過を見るようにしましょう。

そしてA/Bテストの実施方法としては同時に同期間で行うのがおすすめです。
前後比較で行ってしまうと、季節やイベントなどの外的要因が影響している可能性があるからです。

CHECK

実行したあとは結果をしっかり振り返りましょう。
「実行前に立てた仮説に対してどんな結果が出たのか」を確認・検証して、CVRの高い方を採用しましょう。

思ったような効果が出なかった場合でも、「次はこうすれば良いのではないか」と新たな仮説をたてるヒントを得られます。

ACTION

効果検証をして、効果の良し悪しだけではなくその結果が出た理由を考え、次のテスト計画に反映させましょう。

A/Bテストに終わりはなく、効果が出ても出なくても継続して取り組んでいくことが大切です。
小さな改善が散り積もることで大きな改善へと繫がります。

A/Bテストを行う際に「仮説」が重要である

先ほどのPDCAの箇所でも触れたように、A/Bテストを実施する際は仮説がとても重要です。
見切り発車で実施するのは、効果が突然悪化する危険性もあるためしっかりと仮説をたてた上で実行しましょう。

それではその「仮説」について詳しくご紹介します。

なぜ仮説が重要なのか

仮説が重要な理由は大きく以下が挙げられます。

1.検証結果を正しく判断するため

実施前に仮説を立てていないと、「なぜ成約率が上がったのか」「変更したどの点がどう良かったか」の判断ができません。
結果のWhyやHowの部分を正しく判断するために、仮説を立てておくことが大切なのです。

もしも仮説通りにいかなかったとしても、実施したからこそわかる知見が溜まっていくので無駄にはなりません。

2.検証に時間をかけすぎないため

時間をかけることは成果に比例しません。
仮説を立てずに実装をしてしまい、成果が出ないからと沢山のクリエイティブを用意して時間がかかる、なんてことになりかねないのです。

しっかりテスト前に仮説を立てて、効果的だと見込んだクリエイティブに絞って効果検証を進めましょう。

どうやって仮説を立てるか

まず仮説を立てる時は、

・ユーザーがどんな行動をとっているのか
・どこで離脱をしているか

といった部分の調査・分析を行い、現状どのような課題があるのかを把握しておくことが大切です。
A/Bテストの成功率をあげるためにも、まずはゴールに近いところから現状の調査・分析を行い課題を洗い出します。

その上で「どう改善すれば効果が期待できるか」という仮説を立てましょう。

A/Bテストの結果と仮説の検証

仮説を立ててA/Bテストを行った結果はしっかりと振り返りましょう。
立てた仮説に対してどんな結果だったのか、思った結果が出なかったとすれば仮説のどの部分が間違っていたのかを考えましょう。

結果が出ていないから無駄なのではなく、「なぜ仮説通りの結果が出なかったのか」という検証からまた新たな次の仮説が出てくるのです。
A/Bテストを繰り返し小さな改善を積み重ねていくことで、最終的に全体の成果に大きく影響する改善に繋がります。

検証項目例

A/Bテストを実行するにあたり、検証をする項目は事前に知っておきましょう。
5つご紹介するので「自社ならまずはここかな?」とイメージをしながらお目通しください。

ファーストビューコンテンツ

ページに遷移してスクロールを一度もせずに見える範囲を「ファーストビュー」といいます。
パソコンよりもスマートフォンでインターネットを利用するユーザーが多い今では、スマートフォンのファーストビューで見えるコンテンツはとても重要です。

ファーストビューコンテンツのA/Bテストでは、大きく以下4つのブロックのA/Bテストを計画します。

・ユーザーが続きを見たくなるか
・次のコンテンツまでスクロールしたくなるか

を意識してA/Bテストの準備を始めてみましょう。

イメージ画像

一目でパッと認識できるイメージ画像も大事な要素です。

・性別を変更してみる
・1人から複数人に変更してみる
・全く違うデザイン
・色味だけが違うデザイン

など様々なパターンを用意して、CVRの高いイメージ画像を見つけましょう。

見出し、ページタイトル

複数の訴求軸を検討し、各訴求軸に対して見出し・ページタイトルは3つほど候補を上げてテストを実施してみましょう。

「ターゲットとするユーザーはどんなタイトルなら続きが気になるか」というように、訴求したいユーザー目線に立って考えるのをおすすめします。

CTAボタン

CTA=Call To Actionの略(日本語では”行動喚起”と訳されます)
ユーザーに資料請求や応募といったCV(応募)への行動を促すためになくてはならない存在です。

そのCTAの

・大きさ
・色
・文言
・配置

といった要素をテスト対象としましょう。

離脱導線

離脱導線とは、ページ内に設置してある外部リンクのことです。
ページ外へとユーザーを誘導するため、場合によっては離脱の大きな原因になっていることも。本当に必要な導線かどうかを見極め、不要な導線は削除しましょう。

ツール

A/Bテストの実施中・実施後に「何で数値を見たらいいのか」と思われた方におすすめのツールをご紹介します。

Googleオプティマイズ

Googleオプティマイズとは、Googleが無料で提供しているA/Bテストを行うための無料ツールです。
テキスト入れ替えといった簡単なものであれば直感的な操作で使用でき、スピーディーにA/Bテストを実行できます。
Googleアナリティクスと連携もできる優れもので、CVRを含む様々な数値を比較するのに大変便利です。

Googleアドワーズの広告を打つ際にはぜひ導入を検討してみてください。

まとめ

A/Bテストの検証項目や、実施方法などご紹介しました。
A/Bテストでトライアンドエラーを繰り返していくことで、ノウハウの蓄積はもちろん、一歩ずつCVRの改善も進められます。

「千里の道も一歩から」ということわざがあるように、小さな改善の積み重ねが2倍・3倍と大きな改善に繋がることもあるのです。
A/Bテストの検証項目は複数ありますが、クリエイティブの部分で

・社内にデザイナーがいない
・クリエイティブのA/Bテストも検討したい
・クリエイティブとマーケティングの知見がある外注先を探している

といったお悩みを抱えている茨城県の企業様は、弊社でもお役に立てます。
ぜひお気軽にご相談ください。

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