AISASの法則とは?事例も交えてWebマーケティングの鉄板モデルを徹底解説!

マーケティング

本シリーズでは、マーケティング担当になったら最低限知っておきたいフレームワークをピックアップして考え方をご紹介していきます。

第6弾は「AISAS」(アイサス)をピックアップします。

第1弾から順に読みたい方はこちらから▼

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第1弾:PEST分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/07/pest-analysis/

第2弾:3C分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/07/3c-analysis/

第3弾:5フォース分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/09/5force-analysis/

第4弾:SWOT分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/09/swot-analysis/

第5弾:AIDMA
https://www.akebono-print.co.jp/2021/10/aidma/
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Webを活用して新しい客層にアプローチしたい!
SNSを使って、若い人のなかで話題化させたい!
けれど、何から始めればいいのかわからない・・・
そんな悩みを感じたことはありませんか?

そんなときに役に立つのが「AISASの法則」です。
この記事では、

 ・AISASの法則とは
 ・AISASの法則の活用方法
 ・実際の企業の成功事例

について解説します。

AISASの法則とは?

AISASの法則とは、インターネットが普及した現代における、消費者が商品を認知してから購入するまでの行動をモデル化した購買行動プロセスのひとつです。
以下の5つのプロセスの頭文字をとって、「AISASの法則」と名付けられました。

・Attention(注目・認知)
・Interest(興味・関心)
・Search(検索)
・Action(行動)
・Share(共有)

第5弾でご紹介した「AIDMAの法則」とよく似ていますが、それにインターネットでの購買活動の要素を加えたものが「AISASの法則」です。

私たちの日々の買い物を振り返ってみても、SNSで気になる商品を見つけたり、商品の情報をWebで検索したりするのは当たり前の行動になっているはずです。
AISASの法則は、そんなインターネット時代において非常に汎用性が高いマーケティングモデルです。自社商品の販売戦略に活用することで、商品の認知度向上や売上増加を狙えます。

AISASの5つのプロセス

AISASの法則は5つのプロセスから成り立ちます。各プロセスにおける顧客の具体的な心理や行動、顧客へのアプローチに適した施策について解説します。

Attention(注目・認知)

まず顧客に商品を知ってもらう段階です。インターネット上で商品を知ってもらう手段はひとつではありません。様々な媒体を活用することで、より多くの人に商品を知ってもらうことができます。

具体的な施策として、Googleの検索結果で上位表示を狙うSEO対策、ターゲティングをしたWeb広告、SNSでの情報発信などが挙げられます。
インターネット上に情報が氾濫している現代においては、一目で注目してもらうことも重要です。引きが強いコピーやクリエイティブを使いましょう。

Interest(興味・関心)

商品を購入してもらうには、ただ商品を知っているだけでなく、興味を持ってもらう必要があります。

興味・関心を高める具体的な施策例として、商品の特徴や利用シーン、よくある質問など、情報を網羅したランディングページ(LP)を作り、LPに誘導するSNS広告を配信することが挙げられます。

商品への興味を持ってもらうために重要なのは、顧客が商品を「自分ごと」として捉えられるようなクリエイティブです。
「自分の生活がこんな風に変わりそう」「自分だったらこんなシーンで商品を使えそう」といったように、見込み顧客が商品の利用シーンをイメージできるようなLPや広告を作りましょう。

Search(検索)

商品への興味が高まると、顧客は購買に向けてインターネット上での情報収集をします。

「この商品を実際に使ってる人の口コミを知りたい」「似ている商品でもっと安いものはないかな」などと考え、企業発信の情報だけでなく、他の顧客や他社製品の情報を自らインターネット上で探します。
また、「どこでどうやって買うのかな」と、購入方法を調べることもあるでしょう。

ここで有効な施策としては、商品の口コミをホームページ上の分かりやすい場所に掲載すること、ネットショップへの導線をスムーズにすることなどが挙げられます。

商品の購入を検討している顧客が欲しい情報にすぐにたどり着けるようにすることが重要です。

Action(行動)

検索によって十分に情報を得られた顧客が、商品の購買に至る段階です。
「買ってくれたらもう安心」ではなく、ここでは顧客がよりスムーズに購入できるような施策を行いましょう。

例えばクレジットカードなどの決済手段を豊富に用意したり、ネットショップなら商品の発送日や発送方法、送料について分かりやすく明記したりするのも効果的です。

購買フローを簡単かつ分かりやすくすることで顧客の不安を払拭し、購入を後押しすることができます。
ほかに、初回限定クーポンなどの割引も購入を後押しするための手段のひとつです。

Share(共有)

最後は、商品購入後に顧客に感想を発信してもらう段階です。
顧客によるSNSや口コミサイトへの投稿が、それを見た人の「Attention」や「Interest」につながるため、今後の売り上げにつながる大事な段階です。

また、インターネット上に情報が氾濫する現代においては、個人が実際に商品を利用した感想はリアリティがあって信頼性が高いことからも、「Share」が大事と言えます。

ここで重要なことは2つあります。
1つ目はできる限り悪い情報が拡散されないようにすることです。商品の迅速な発送や品質の向上など、当たり前のことをしっかり心がけましょう。

2つ目は、ただ口コミが投稿されるのを待つのではなく、顧客が商品の感想を発信しやすい仕掛けづくりを積極的にすることです。例えば、包装をおしゃれにすることで商品の写真撮影を促し、投稿してもらいやすくなります。
「口コミを投稿したら次回購入割引」といった施策も有効です。

AISASを活用して成功した企業事例

AISASのそれぞれのプロセスを理解したところで、実際にAISASを活用した企業の成功事例を見てみましょう。事例から、自社のマーケティングに活かせるヒントが見つかるはずです。
ジムの中でも抜群の知名度を誇るRIZAPのマーケティングを、AISASのそれぞれのステップに分解してみます。

Attention:記憶に残るテレビCM

RIZAPのCMは、その音楽や映像を思い出せるのではないでしょうか。
耳に残る音楽、真っ黒な背景、驚くほどの体型のビフォーアフター、著名人の起用など、記憶に残る要素が満載のテレビCMで、一気に認知度を高めることに成功しました。

Interest:ターゲットに響いたキーワード「結果にコミットする」

RIZAPのCMが放映され始めた当時、「結果にコミットする」というコピーは日常の中でも流行りましたが、それはなぜでしょうか。
「コミット」という言葉はもともとビジネス用語で、日常生活の中では新鮮だったからではないでしょうか。

RIZAPが「結果にコミットする」というコピーを設定したのは、ターゲットを「痩せたいビジネスパーソン」としているからです。
「コミット」というビジネス用語を使っているほか、「2ヶ月でこの身体」というコピーでは忙しい人でも短期間で結果を出せることを示し、ターゲットの興味・関心を効果的に高めることができました。

Search:いい口コミを上位に表示させるためのアフィリエイト

アフィリエイトとは紹介報酬制度のこと。商品がブログで紹介され、そのブログ経由で購入などに繋がった場合、ブログを書く人に企業が報酬を支払う仕組みです。

RIZAPはこのアフィリエイトを活用することで、インターネット上にRIZAPに関するポジティブな感想を増やしています。
見込み顧客が検索したときに、自然とポジティブな情報にたどり着くようになっているのです。

Action:30日間全額返金保障制度で購入を後押し

RIZAPといえば、2ヶ月間で約30万円という他のジムに比べて圧倒的に高い金額も有名です。
顧客にとっては、いくら検索で情報を十分に得ていても入会を躊躇するような障壁でしょう。

そこでRIZAPは、効果が実感できない場合、入会から30日間であればコース料金を全額返金する制度を設けています。
これによって金額の障壁を取り除き、「効果が出るかわからないのに30万円も支払うのは躊躇う」という人の入会を後押ししているのです。

Share:目に見えて効果が出るからこそシェアされる

「Share」のステップでは顧客によるSNSや口コミサイトへの投稿が効果的とされていますが、RIZAPでは体型が変化した顧客自身がもっとも効果的な「Share」を実現しています。

つまり、顧客自身が痩せた姿を見てその家族や友人がRIZAP入会を検討したり、テレビ番組でRIZAPで痩せた芸能人を見てRIZAPに興味を持つ人が増えたりというように、RIZAPで目に見えて痩せたその姿そのものが「Share」になっています。

結果がしっかり出る、つまり品質が高いからこそ、口コミで広がっていきやすいのです。

AISASをうまく活用するには?気をつけるべきポイント

ここまで、AISASの各ステップで有効な施策や他企業の成功事例を学びましたが、実際にAISASを自社のマーケティングに活用するにはどうしたらいいのでしょうか。
気をつけるべきポイントをまとめました。

商材がAISASに適しているか?

自社の商品は、そもそもAISASの法則に適していますか?インターネット上で検索されたり、口コミが拡散されやすいような商品でしょうか。

口コミが拡散されやすいといった観点では、BtoBよりもBtoCの商品のほうがAISASモデルには適しています。
また、低価格で機能性の差が少ない日用品や食材などは、わざわざインターネット上で検索せず店頭の情報をもとに購入されるように、AISASモデルに適していません。

まずは自社の製品が購買される過程をAISASモデルに当てはめて考えてみましょう。

Shareを前提とした施策で売れ続ける循環の仕組みを作る

AISASモデルで最も特徴的なのは、「Share」のステップがある点です。
SNSが普及し、企業や著名人だけでなく一般人も気軽に情報発信ができるようになったからこそ、「Share」が重要なステップとなりました。

SNSや口コミサイトに良質な感想が投稿されることで、次のAttentionやInterestに、そして売上に繋がります。
AISASモデルではこのような循環を作ることこそが重要です。

ネガティブな感想をシェアされたらどうする?

一般人の口コミは、見込み顧客にとって信頼性が高く拡散されやすいというメリットがある一方で、企業がその内容をコントロールできないというデメリットもあります。
良い口コミだけでなく、ネガティブな口コミも拡散されかねません。

ネガティブな口コミは決して悪いものではなく、顧客の商品理解を深めるものです。
ネガティブな口コミに対しては真っ向から否定するのではなく、それぞれの顧客や利用シーンに合わせた正しい情報を補足して発信するなどの対応を取るのが良いでしょう。

まとめ:AISASモデルを活用して、売れ続ける仕組みを作ろう

インターネットが普及した現代、買い物にもSNSやWeb検索を活用するのは当たり前のこと。AISASモデルを活用し、顧客の心理に合わせて段階的にアプローチすることで、売れ続ける仕組みを作ることができます。
Webマーケティングの様々な手法を組み合わせて、認知度向上と売上増加を目指しましょう!

▼お問い合わせはこちらまで

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